こんにちは。関西の某公立高等学校で非常勤講師をしている高橋悠と申します。
大学では源氏物語を研究していました。茶道と古文書収集が趣味です。
自分の受験生時代を思い出しながら、みなさんにとって少しでも役に立つことを発信できればと思います。
教材名/出版社
教材名 | 速読古文常識 |
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会社名 | Z会 |
この教材はどんな人におすすめですか?
古文の勉強をしているのに試験で点数が伸び悩んでいる人、単語や文法はマスターしているのに本文を読んでもいまいち場面のイメージが出来ない人にお薦めします。
教材概要
私自身、大学受験の勉強をしていた時に古文単語と文法は特に力を入れて取り組んでいました。しかしそれだけでは上手くいかないのが古文の世界というもので…本文によって場面を把握する事が出来ない壁にぶち当たりました。
そんな時に当時の塾の先生から薦めて頂いたのがこの本でした。
この本は古文初学者が見落としがちな「古文常識」に特化しています。
いまから約千年前に書かれたものが古文とされているわけですから、当然現代とは異なる常識が多数存在しています。そのような常識を説明する注釈が本文の後に付されていればラッキーですが、残念ながら本番の試験では無いに等しいことが多いのです。
でも大丈夫です。
この本を使って当時の「常識」に触れ、知識として蓄えていくことで、古文の理解度は着実に上がっていきます。それは、あなたが初めて目にする古文を読む時にもきっと役に立つことでしょう。
教材のポイント
- POINT 1
充実した内容 - 基本的な古文常識を見てみると「恋愛」「貴族の信仰」「家族関係の呼称」「宮中」「役職」「衣食住」「時刻」「季節の行事」に関する常識がカテゴリーごとに章立てして紹介されています。どれも古文を読むうえで欠かせない基本的なものなので隅々まで押さえておきたい所です。他にも、和歌の修辞法や有名な古典作品の場面の解説も掲載されていて、一気に学習することが出来ます。
- POINT 2
1ページに全てがおさまる読みやすさ - 見開き1ページの中に見出し語、例文、関連語、解説、例題がおさまっていて、とても読みやすいようにレイアウトが工夫されています。例文には現代語訳が並行して記載されており初学者でも読みやすくなっていたり、イラストがついているページも多かったりと、具体的に理解しやすくなっています。そして、見出し語ごとに試験ではどのように出題されるのか確認できる例題もついているので、覚えるべきポイントが見えてきます。
- POINT 3
解説のおもしろさ - 解説がとにかく面白いです。有職故実の専門書に匹敵するような詳しい解説でありながら、短くわかりやすく書かれているのがとても魅力的です。見出し語ひとつから、ここまで話を広げることが出来るのかと思うくらいに工夫がなされています。受験生の勉強にはもちろん、読み物としても楽しめるレベルです。
先生よりアドバイス・メッセージ
「単語」「文法」「常識」の三本柱を大切にしましょう。古文を読むうえでどの柱も欠かすことは出来ません。脆い柱があれば崩れてしまうように、古文も安定して読むことは出来ません。
この本は『古文常識』というタイトルの通り、基本語に絞り込んであるため、ぜひ他の教材にもあたり発展的な単語にもチャレンジしてみてください。最終目標となる古文読解には「単語」「文法」「常識」の並行的な学習が必要不可欠です。
最後に古文は苦手意識を持つ人も少なくないですが、私たちと同じ人間が書いた文章である事に間違いはありません。昔の人が紡いだ言葉から当時の人の思いや日々の営みに触れ、自分に通ずる所を見つけたり、新しいことに気付かせてくれることもあります。
どうかみなさんには古文を楽しみながら読んでほしいなと思います。
この教材についてのみんなのツイート
昔使ってた『速読古文常識』発見
日本史の知識がついた今パラパラ読むとおもろい。意外と古文頑張ってたかも。 pic.twitter.com/MmMWRqTsNR
— KUB◯+@世界史とか (@KU80TA2018w) March 5, 2019
古典常識は軽視されがちである。確かに単語文法、長文に比べ重要度は低い。が、蔑ろにしてはならない
古典常識参考書は絶対にZ会の『速読古文常識』を勧める。マドンナ↘︎はよろしくない。例えば「尚侍」の説明もまずい。尚侍はあくまで女官である
また、Z会は短文の例文から様々な学習へと敷衍できる pic.twitter.com/NSvHkzBdER— はる (@spring_day_co) July 31, 2019
速読古文常識やってると「古文の面白さ」ってものに気づいてくる。単語と文法さえ固めているならすらすら行けて嫌にならないところもお勧め!マドンナ古文常識と違いその知識をすぐにアウトプットできるのもポイントだ♪ pic.twitter.com/i3JDnbkK
— salmiakki (@neko_kai) July 24, 2012