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はじめての入試現代文 正解へのアプローチ

を教育現場のプロが分析してみた

  • 2019年11月27日
  • 2019年11月28日
住岡 大輔

さてさて、住岡大輔です。
普段は千葉県で個別指導の講師をしています。担当は国語と社会です。

住岡 大輔

いま見てくれている君は、どんな教材を使おうか悩んでいますか?それともなんとなく見ていますか?

住岡 大輔

まず中身を見る前に、「こういうところを鍛えていきたいなぁ」「こういうのがあるといいなぁ」と考えてみましょう!その考えたことに応えてくれる教材かどうかを、君の目でじっくりと確かめてください。

教材名/出版社

教材名 はじめての入試現代文 正解へのアプローチ
会社名 河合出版

この教材はどんな人におすすめですか?

大学入試に向けて現代文の勉強を始めようと思っている人、もしくは現代文を始めてはいけれどもどう解き進めればいいか困っている人。

特に、問題を解けるようにしたいという人にうってつけです。

教材概要

私がこれを手に取った大きなきっかけはTwitterです。著者の木村哲也氏は河合塾講師で、木村氏がTwitterでツイートしている内容から興味を持ちました。そこで中身を見てみましたが、いわゆる「解き方」が普段指導している内容と重なるところがあったのでお気に入り教材の1つです。

内容としては、第0~5講+実践講があり、各講では問題文や本文の何に注目して解き進めていくか、というものがとても短く、そしてシンプルに書かれています。ただしメインで扱っているものは評論/説明文、選択肢や空欄補充問題になるので、小説対策は少ないです。

シンプルなので、カラーの部分や派手な図表などは一切ありません。白黒です。本文の明るい色彩にごまかされて、わかった気になるだけのうすっぺらいものではありません。

教材のポイント

ポイント

  • おどろきのうすっぺらさ!
  • 選択肢も記述も解ける一歩に
  • 現代文を「解く」
POINT 1
おどろきのうすっぺらさ!
概要で「うすっぺらい」理解にはならない!と言っておきながら、なんだこれは??と思いましたか?そうなんです、この教材、実はうすっぺらいんです・・・。

なにかって、140ページしかないです。厚さにすると、なんと0.7cm!DVDケースの厚さよりも薄いんです。みなさんが持っているスマホやそのケースよりも薄いかも・・・。

それでいてうすっぺらい理解で終わらせないのがスゴイところ。字も大きさも決して小さくありません。これは、現代文が苦手な人や初心者はまだ文章を読むこと自体が苦手だったり抵抗があったりします。そうした読者を想定して著者が配慮した結果、なるべく字数を減らしつつもストンと取り組みやすい内容にまとめたのです。

POINT 2
選択肢も記述も解ける一歩に
基本は選択肢や空欄補充問題へのアプローチ方法について書かれています。本書をきちんと理解した上で取り組み続ければ、それらへの対処は簡単にできるようになるでしょう。

しかし多くの現代文初心者が困るのが記述問題です。その記述についても少しではありますが触れられています。第4講「文法」へのアプローチにて、文法の重要性や活用方法を示した中で私大記述の10大ポイントが整理されています。自分が注意すべきところや何を取捨選択して書いていくかなどの解き方があるので、バッチリです!

POINT 3
現代文を「解く」
ここが一番重要です。

現代文において「解く」とはどういうことかをしつこいくらい繰り返しプッシュします。

問題文、傍線部、傍線部を含む一文、傍線部を含む一文の前後文、文法の活用・・・。解き進める手順を重ねて披露することで復習につながります。確認すべき部分をどのように理解していくかを軸に置いた教材です。

それに加えて強調されることは、「なんとなく読んで間違えていないか?」という著者からのメッセージです。著者の言う「なんとなく」とは<ある単語/キーワードが本文中にあるから、それが含まれる選択肢を選ぶこと>を指します。

これは現代文を指導しているとわかることなのですが、現代文を始めたての生徒はとにかく「感覚」で解きます。この「感覚」は非常に不安定で、高い正答率を出したと思えば次の文章ではボロボロになって現れます。その原因こそ実はこの「なんとなく」なのです。

それっぽい内容ではダメなのです。確実にその答えしかありえない!と断定できるようになりましょう。では断定するためにどうするか。文章の読み方と解き方を知り、実際にやってみる。そして自分に足りなかったことは何か。深く考えすぎていたものは何か。解いた後に分析をするのです。同じ工程を繰り返した先に志望校合格への入口が見えてきます。めげることなく正しい解き方を本書で身につけていきましょう!!

先生よりアドバイス・メッセージ

上述の通り、本書に書かれている解き方を確実に実行することが重要です(どの教材を使うにしても絶対条件ですが)。

では具体的にどう使用していくか。自分が持っている問題集や過去問を用意し、本書に記載されているアプローチを使って実際に取り組んでいきます。

  • 指示語が指している先には矢印をひっぱる
  • 主語述語を線で結ぶ
  • 傍線部や本文と選択肢を比べて言いかえ部分をそれぞれ紐づける

などなど、どんどんと実行し書き込んでいきましょう。

頭の中だけで考えるだけ、目で追うだけでは身につきません。それこそ、うすっぺらい理解で終わってしまいます。ひらすら書き込んで思考を文字や記号で表すのです。しかもそれはパパッと片付けてはいけません。じっくりと時間をかけて取り組みましょう。初めはかなり時間がかかると思いますが、慣れてくれば自然と短くなりますし、さらにマスターできれば書き込む量も減ってくるはずです。その状態まで継続してがんばりましょう!

この教材についてのみんなのツイート


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