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タイニーパーク(Tiny park)

を教育現場のプロが分析してみた

  • 2019年11月26日
  • 2019年11月26日
末廣泰翔

合同会社ディープグラウンド(烏山進学教室)の末廣です。
東京都世田谷区で中学受験の塾を経営しています。

末廣泰翔

中学受験のalternativeな塾になるべく、オリジナルカリキュラム、オリジナル教材にて運営しています。「塾内通貨」があったり、「考える楽しさ」につながるものは何でも採用しようという塾です。

末廣泰翔

その中の一環として、ボードゲームを一部授業で採用しています。
また、プライベートでは5歳と2歳の娘がおり、知育的な面でも、ボードゲームを活用しています。

末廣泰翔

ボードゲームの所持数は1000ほどです。おそらく(怖くて数えるのを辞めました(笑))

教材名/出版社

教材名 タイニーパーク(Tiny park)
会社名 HABA社

この教材はどんな人におすすめですか?

小学生のお子様(生徒)と一緒にボードゲームをしたい方
幼稚園生には少し難しいですが、繰り返すことで上手にプレイできるようになります。

教材概要

ダイスを振って、自分だけの遊園地を作ろう!というゲームです。

ダイスを振る。この行為が楽しくないわけがありません!「お願い!」とか「出ろ!」とか言いながら、自らの願いを込めてダイスを振る子どもたちの眼差しは真剣そのもの。確率は6分の1なんて野暮なことを言ってはいけません(笑)

また、このゲームでは、最初は何も配置されていない自分のボード上に、次々と遊具を表すタイルが配置されていきます。次第に建設が進んでいくように自分の遊園地が充実していくので、どんどんテンションが高まっていきます。

さて、このゲームに関して、後述するように「ふり直し」という概念が、大人が思っている以上に子どもにとっては難しいようですが、うちの妻は「だからこそやってほしい」と申しております(笑)

小学校低学年であれば、自分たちで遊ぶことも可能です。

ダイスを使ったゲームの特徴として、大人が本気でやっても子供が勝つ場合があることも、一つの魅力といえるかもしれません。

負け続けるゲームは、大人も子供も辛いですからね~(笑)

ルール

  1. 個人ボードを1人1枚受け取ります。
  2. 時計回りに手番を行います。手番プレイヤーはサイコロをすべて振ります。
  3. 2回までは、任意のダイスについて振り直すことができます。
  4. 振り直しを経て、最終的に出目に対応したタイルを1つもらいます。
  5. もらったダイスを個人ボードに配置します。
  6. これを繰り返し、1番最初に個人ボードを埋めたプレイヤーの勝利です。

教材のポイント

POINT 1
与えられた状況の中で何がベストかを考える力が付く
何だか仰々しいトピックになってしまったのですが(笑)、このゲームはダイスをふるゲームである以上、自分の取りたいタイルを自由に取ることはできません。

しかし、「2回の振り直し」が可能であるため、完全に「運」というわけでもないのです。
最初に出た出目に対して、「どのダイスを残すか」言い換えると「どのダイスを何個振り直すか」ということを考えて、振り直しを決めなくてはいけません。小さいお子さんですと、最初は自分の取りたいタイルを決め打ちして振り直すかもしれませんが、それではゲームに勝てません。ゲーム中のアドバイスに関しては、個人の価値観が出ますが(私は絶対にしません笑)、プレイ後の振り返りなどは有意義なものになると思います。

POINT 2
リスク感覚が身に付く
当然、面積の大きなタイルを取りたいわけですが、それには出目の要件がきつくなります。また、面積4マスのタイルの中には、凹凸のあるタイルもあり、配置によっては、その後のタイル配置に影響を与えます。

1回目の出目が出そろった状況の中で、欲しいタイルにチャレンジするのかしないのか、リスクを管理して、複数のタイルを視野に入れるのか、他プレイヤーの状況を見て安全にいくかどうか等、ダイスを振り直す際に考慮しなければいけないファクターは意外と多くあります。子供たちの頭はフル回転状態になることでしょう!

POINT 3
計画性とちょっとした図形センス
もらうことのできるタイルの形は、予め6種類に決められています。ですから、終盤になればなるほど、「どうやって残りのマスを埋めていくか」という計画性が要求されてきます。最初から大きなタイルばかり狙っていると…(笑)

そして、この計画の前提にあるのは、テトリス的な図形センスです。残りのマスに対して、どのタイルでどう埋めるかを頭の中だけで考えるのは、子どもにはそれなりに大変な作業なようで、「ああでもない、こうでもない」と考えている子の姿を見るのは、親としては楽しいものです。

先生よりアドバイス・メッセージ

さて、前回書ききれなかった「ボードゲーム」を「教材」として用いる理由について、このゲームに即して書いてみます。

それは、「決める力」を養うことができる点です。今日の洋服は何を切るか、今日のご飯は何を食べたいか、私たちの日常には「決める」が転がっています。では、子どもたちは、「自分で決める」が出来ているでしょうか?

集団生活でもそうですね。我が娘は典型的な控えめキャラでして(誰に似たのかというご質問は受け付けておりません)、幼稚園などでも発言力のある子の意見に追従してしまう傾向があります。

ボードゲームでは一般的に「自分の手番」があります。手番中、自分でどのようにプレイするかを決めなくてはいけません。簡単なように思えますが、意外と「どうしていいかわからない」と言って決められない子は少なくありません。合っているかどうかは問題ではなく、「自分で考えて自分で決めた」という事実が大切です。こうした経験値を増やすことができるのも、ボードゲームの1つの魅力だと思っています。

このゲームに関していえば、「自分だけの遊園地を作る」というフレーバーがとても親近感があり、「自分で考え、自分で決める」という雰囲気づくりに一役買っています。また、ダイスを振るというのは、いくつになっても楽しいもので、大人も子供も一緒になって遊ぶことのできる良作です。

この教材についてのみんなのツイート


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