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高校 とってもやさしい英文法

を教育現場のプロが分析してみた

  • 2019年12月6日
  • 2019年12月5日
荒川友加理

荒川です。

荒川友加理

主婦です。

荒川友加理

好きな言葉は半額です。

教材名/出版社

教材名 高校とってもやさしい英文法
会社名 旺文社

この教材はどんな人におすすめですか?

英検準2級を取得して2級受験する前に文法をまず学びたい人(ただし、小学生の場合は長文の内容が日本語でも理解できる子じゃないとそもそも2級受験は厳しいですよ)、英語が得意な中学生でちょっと背伸びして高校の英文法も学びたい人、偏差値高めの高校に入ったと思ったら一学期の中間テストでソッコー爆死、自信をなくして英語アレルギー発症、まだ克服できていない人。

教材概要

中学英文法と高校英文法の橋渡しになるようなテキストです。中学生から見たら「ちょっと背伸び」、高校生から見たら「あ、中学の復習から入れる。ラッキー」みたいなテキストです。中高生の両方にオススメなので紹介します。

教材のポイント

POINT 1
高校英文法の最低限かつ重要なところがコンパクトにまとまっている。
分詞構文や仮定法といった高校で習う英文法にはルールが複雑なものも多いのですが、このテキストはエッセンスはきっちり抽出しつつ、わかりやすく最低限の量でまとめています。とにかく、最初のステップとして「覚えることが少ない」というのはありがたい。
POINT 2
中学英文法の復習から収められていて、その流れからスムーズに高校英文法に入っていける構成。
第一章の自動詞と他動詞に入る前段階で、中学の英文法にも触れていますが、知識の流れが非常にスムーズかつスマートに紡がれています。これ大事。個人的にこの著者の力量はここにあると思っています。説明一ページにつき、そのページで学習すべき内容が明確に一つだけ打ち出されていて、一歩ずつ確実に前進できるようなテキスト。

先生よりアドバイス・メッセージ

今回のメッセージは「自分は英語ができない」と思って、かつアレルギー反応が出ている人に向けて書きたいと思います。たとえば「偏差値高めの高校に入学して自分はそこそこオベンキョできると思ってたら、なんだか教科書以外の内容でわけわからんプリントをバンバン出してくる教師にやたら勉強できる周りの生徒集団、異世界に放り込まれて身動き取れないもうこんな刑務所進学校イヤ」と思っている生徒とか。

あなたはきっと今、落ち込んで立ち直れなくて、スマホやらなんとなく部活やらで「とにかく勉強から意識をそらせるなら何だってする」と現実逃避をしていることでしょう。おつかれさまです。別に気が済むまでそうしてていい自由はあなたにあります。高校の勉強ができないからと言って死ぬわけではありません。プライドが叩きのめされて傷ついておられるかもしれません。「自分には何もない」と思っているかもしれない。おめでとう。そこがスタート地点です。

「自分には何もない」

と気付けたあなたはやっとスタート地点に立ちました。さて、そこから何をするか。まぁまぁワイドに話せるネタを提示してしまいましたが、とりあえずこの記事で私はテキストを薦める立場です。なのでその方向で書いていきますが、まず、あなたが偏差値60以上の高校に入学していたら、このテキストを独りでもゆっくり学習できます。もともとあなたには基礎学力があるので、着実にこなしていけばテキストが終わるころには学校で使っている教材もある程度わかるようになっています。

まず、これ一冊終わらしてみ。終えた頃には、きっと見える景色が変わってるから。

あなたに今足りないのは頭じゃなく、現実を直視する力。柔軟さです。頭はあるから大丈夫。自分は今、どこに立っているのか。いつから、どこから、英語がわからなくなったのか。そこを明確にしてください。今いくつであろうと、プライドを捨てて必ずわからなくなったところに戻ってください。再スタートを切りましょう。遅くないですよ。

で、このテキストならあなたは終えられると思って先の話もしときます。学校でエバーグリーンの参考書や、それから受験生なら今頃ネクステ、パワステあたりをやってると思いますが、日本の大学入試の特徴を一つ書いておきますね。

難関大学の入試問題ほどその傾向が顕著になりますが、日本の大学入試問題は難易度がある一定の点を超えると急に「生徒を落とすため」のような重箱の隅をつつくクソ問をちょいちょい出してきます(特に私大。国立はもっと素直でストレートです)。「一体、何のシンギュラリティー?」と思うかもしれませんが、こういう捨て問はできなくていいんです。無視。しいて言うならこの傾向は日本のお家芸、伝統芸能みたいなもんであって、私が普段仕事で触れてる翻訳原稿でも出てきたことないです。ただの一度もない。はっきり言って、こんな英文を仕事で書こうもんなら、クライアントから「一発リジェクト」を食らうでしょう。

例えて言うなら、世界でピアノコンクールが開かれていて各国のピアニストが集って演奏しているのに、途中から日本だけ尺八を持ち出してくるような感じ。おかしいの。ほんとに。で、これは私が学生の頃から何十年と変わってきていない傾向なので、こんなクソ問に出会って「解けないオレってバカ」とか全く思わなくていいです。傷つく必要なんかないんです。くよくよする暇があったら攻殻機動隊でも見てる方がいい。

目には目を。クソ問にはクソバイスを。

このテキストをやり終えたら、学校で使われている参考書と問題集をそれぞれ一冊ずつしっかりやりこんでください。私の時代ならチャート式、少し前はフォレスト、最近の子はエバーグリーンを使っていたりもしますが、ある程度売れてる参考書ならそんなに大ハズレはありません。できればその参考書に準拠した問題集を一冊セットでやるといいです。別の記事でも書きましたが、一冊を何度もやってください。しゃぶり尽くすんです。

そして、そこに行く前の、この一冊。

健闘を祈る。


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