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どっかい算―四則計算のみで解ける難しい文章題 (サイパー思考力算数練習帳シリーズ)

を教育現場のプロが分析してみた

  • 2019年12月20日
  • 2019年12月25日
勉強犬

こんにちは、神奈川県藤沢市にある「第二の家」HOME個別指導塾から来ました勉強犬と申します。

勉強犬

こんな名前の僕ですから、「勉強の秘訣はなんですか?」とよく訊かれます。難しい質問ですね。その際は「秘訣などない」と妙に低い声でお伝えする僕ですが、今日はなんと、その秘密を教材を紹介しながらこっそりお伝えしていきたいと思います。

勉強犬

こっそりですよ。

勉強犬

・・・

勉強犬

ただ、こっそりですが、拡散は希望です。どんどんお願いします。

勉強犬

冗談はさておき、早速参りましょう。

教材名/出版社

教材名 どっかい算―四則計算のみで解ける難しい文章題 (サイパー思考力算数練習帳シリーズ)
会社名 認知工学

本日ご紹介する教材はサイパー思考力算数練習帳シリーズどっかい算です。

どっこい算でも、ごっかい算でも、ああそうかい算でもありません。

ただし、ついつい「どっこい」と力を入れたくなってしまったり、思わず誤解してしまったり、妙に「ああ、そうかい」と納得してしまったりする面白い文章問題が並んでいる教材です。

さぁ、まだ序盤ですがついてきてくれていますでしょうか。

足す引く掛ける割るの四則演算のみで解ける『どっかい算』、たしざんひきざんのみで解ける『どっかい算2』の2種類があります。1より2の方が難易度が低めということです。

この教材はどんな人におすすめですか?

小学生や、文章題が苦手な中学生が対象となるでしょう。例えば、算数や数学で文章題が出てきた時に、数字だけ見てテキトーに掛けたり足したりして間違う、もしくはたまたま正解しちゃうあなたと、その保護者の方と、周りにいる先生方にオススメです。読解力を鍛えたい大人が趣味でやるのも面白いと思います。

教材概要

この教材との出会いは、SNSでした。

SNSで同業界の先生が紹介されていて

勉強犬

これ、よさそう

とアマゾンで発注したのが最初です。届いてすぐに封を開け、まずは表紙に載っている問題を考えてみました。それは犬の問題でした。その時に僕は運命を感じたのです。なんてったって僕の名前は勉強犬。そう、

勉強犬

これは僕のための教材だ!

と。

うん、きっと勘違いですが、物事の始まりとは大体そういうものです。

で、実際に使ってみて確信したんですよね。これは良い教材。使いこむことで、生徒たちがよく問題を読み、数字を丁寧に扱い、ちゃんと思考するようになりました。使う数字に丸したり、使わない数字に線を引いたり、文に書いてある内容で図や表を書いてみたり、つまり文章を読み解こうとするようになったわけです。

実際に使ったことがあったという当塾の保護者の方も「おかげで問題文をいい意味で疑いながら読む癖がついたと思います」と仰っていました。その子の成績は、そのせいもあってか、5教科オール5です。

どっかい算には、様々な文章題が掲載されていますが、その特徴は、なんとなく読んでいたらできないということです。普通の算数の文章題って、文中に出てきた数字大体全部使いますよね。だから、よく理解していなくても、なんとなく出来ちゃったりするんですよね。でも、この教材はそうはいきません。いくつも数字が出てきて、ちゃんと筋道立てて考えないと答えが導き出せないようになっています。

試しに解いてみますか?表紙にある問題です。

私は犬のぽちとさんぽに行きました。河原へは1時47分に着きました。私は10分走って20分休みましたが、ぽちはとちゅう6分間休んだだけで、河原を出発する3時8分までの間ずっと走りつづけていました。2時16分に川にかかっている鉄橋の上を電車が渡り始めました。同時にぽちはその電車を追いかけて私の所から電車に対して30度の角度で走りましたが、400m走ったところで電車は鉄橋を通り過ぎました。ちょうど2時17分でした。その後私は2回走った後、河原を出ました。私とぽちが河原にいたのは何時間何分ですか。

どうでしょう。単純じゃないでしょう。「ぽちとさんぽ」を、「ぽちさん」と読み間違えて、さん付けされる犬に驚愕したのは内緒です。

考えるというのは誰にでも出来ることですが、上手に考えるには練習が必要です。走れる人でも、速く走るには工夫や練習が必要なのと一緒ですね。必要じゃない部分を抜いたり、必要な部分だけ抜き出したり、それらをつなぎあわせたり。まるでパズルを楽しむかのように文章を楽しめる教材、それがどっかい算です。

教材のポイント

ポイント

  • バイバイ、凡ミス。国語の「読む力」が鍛えられる
  • 経験値貯め放題。算数「解く力」が鍛えられる
  • 世界を広げる「心の力」も伸びる
  • 「未来に役立つ力」のお話
POINT 1
バイバイ、凡ミス。国語の「読む力」が鍛えられる
こういうこと、よくありませんか。算数の理解はできていても、文章が正確に読めなくてまちがってしまう。

その原因は、文章をきちんと読んでいないことにあります。『AI vs 教科書の読めない子どもたち』という本でも話題になりましたが、例えば以下のような知識不要の問題も、文章が的確に読めずに間違えてしまうのです。

アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢の中から選びなさい。

「セルロースは(       )と形が違う」

①デンプン ②アミラーゼ ③グルコース ④酵素

答えは、当然①です。でも、多くの人がこれを「なんとなく読んだり」「読めなかったり」して、間違えるんですね。答えがわかれば「凡ミス」扱いになりますが、凡ミスにもすべて必ず理由があるのです。

この教材で「意識して読む」練習を積み、「テスト、凡ミスで落とした」なんていう言葉とはもうお別れしましょう。バイバイ、凡ミス。

POINT 2
経験値貯め放題。算数「解く力」が鍛えられる
もちろん、この教材は名前の通り算数の教材ですから、算数の文章題同様、自分の中にある知識をちゃんと使えるかどうかの練習ができます。

これはどうやって答えを出すんだろう。

かけるのかな?
割るのかな?
たすのかな?
ひくのかな?
はたまた何もしないのかな?

そうやって思考を巡らすこと自体が、考えるトレーニングになります。試行錯誤した結果であれば、正解しても間違えても、経験値が手に入ります。経験値をいっぱい手に入れれば、レベルアップできます。負けても経験値が手に入るなんて、ゲームよりリアルの方がだいぶお得だと思いませんか。

さらに、算数と国語が同時に鍛えられるなんて、なんてお得な教材なのでしょう。

POINT 3
挑戦に必要な「心の力」も伸びる
うんうん唸りながら問題を解き、貯まるのは経験値だけではありません。

悩んだり苦しんだり、そしてその先で輝く成功を掴んだりしながら、少しずつ心の力も高まっていきます。それは、自信や自己効力感なんていう風にも呼ばれます。

これが伸びてくると、どんどん新しいことに挑戦できるようになります。前述の通り、成功しても失敗しても貯まるのが経験値ですから、チャレンジが多い人はそれだけレベルアップしやすいということです。レベルアップすれば、色んなところへ行けますね。色んな人と出会うこともできます。つまり、この教材を通して心の力を伸ばすことで、自分の手で世界を広げられるようになるわけです。

性質上、この教材を手にするのは、小学生や中学生のお子さんが多いでしょう。そんな小学生や中学生諸君、もしもね、僕ら人間の人生を一日に喩えると、大体15歳で朝5時ぐらいにいることになるんだってさ。そう、君たちはまだ夜明け前にいる。

そこからは、遠くの空に、微かに光が見えるかもしれない。しんとした静寂の向こうで、何かが始まろうとしている。

君たちはこれから、何処へでも行ける。何にでもなれる。どうか、この教材が、君のその最高の人生の一歩を後押しする、心強い味方になってくれたなら幸いです。

POINT 4
未来に役立つ力のお話
この教材の最後には、こんなメッセージが添えられています。

「生きてゆく」ということは、道のない道を歩いて行くようなものです。「答」のない問題を解くようなものです。今まで人はみんなそれぞれ道のない道を歩き、「答」のない問題を解いてきました。

子どもたちの未来にも、定まった「答」はありません。もちろん「解き方」や「公式」もありません。私たちの後を継いで世界の明日を支えてゆく彼らにもっとも必要な、そして今、社会でもっとも求められている力は、この「解き方」も「公式」も「答」すらもない問題を解いてゆく力ではないでしょうか。

これは、この一冊の教材についてのお話ではなく、僕らの人生についてのお話です。

書いてあることに関して、僕も全面的に同感です。だから、その為に今、答えのある問題で考え方を練習しておく必要があるのです。

将来、文章を「どっかい」するように、相手の心を「どっかい」したり、世の中で求められているものを「どっかい」したり、読み解けないものに対して「どっかい」を試みたりすることがあるかもしれません。

そして、そんな風に「どっかい」して手に入れた情報をもとに、考えて、行動して、成功も、失敗もするでしょう。いいんです。今までだっていっぱい間違えて苦しんでここまで来たでしょう。あなたなら大丈夫。

そんな日のためにもね、「どっかい算」を通して、未来に役立つ力を磨いておきましょう。

先生よりアドバイス・メッセージ

元々は中学受験も想定して作られている教材ですが、「どっかい算」は四則の計算、「どっかい算2」はたしざん・ひきざんができれば問題なく取り組めます。ここで、教材に記載されている指導上の注意を抜粋して見てみましょう。

  • 解けない問題にはヒントを出す(なるべく具体的なものにたとえて説明すると良い)
  • なるべく自力で解かせる
  • やる気が低くなってきたと思ったら無理にやらせない
  • 丸付けはなるべく早く。フィードバックは早いほど本人の学習意欲と定着につながる

あとはもう、広がった問題の大海原に漕ぎ出し、楽しむだけです。

上記のポイントに書いたような力がついてくると、きっと問題に向かうことがちょっとずつ苦じゃなくなってくるでしょう。あんなに嫌だった勉強の中にも、楽しみや喜びがあることに気づくはずです。すると、どうでしょう。手は動き、頭が働き、当たり前のことが当たり前にできるようになってくるはずです。自分から進んで勉強ができるようになってくるはずです。

そう、やること。なるべくなら、自分からやること。だってこれ、自分の人生だもんね。

最初の一歩を自分から踏み出す。
それこそが最高の「勉強の秘訣」です。

売れても僕には一銭も入りませんが、素敵な教材「どっかい算」をどうぞよろしくお願いします。

読んでいただき、ありがとうございました。

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