さてさて、住岡大輔です。
普段は千葉県で個別指導の講師をしています。担当は国語と社会です。
いま見てくれている君は、どんな教材を使おうか悩んでいますか?それともなんとなく見ていますか?
まず中身を見る前に、「こういうところを鍛えていきたいなぁ」「こういうのがあるといいなぁ」と考えてみましょう!その考えたことに応えてくれる教材かどうかを、君の目でじっくりと確かめてください。
教材名/出版社
教材名 | [必修編]現代文のトレーニング |
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会社名 | Z会 |
この教材はどんな人におすすめですか?
「現代文の内容・構造がわからなくなる」「解説がわかりやすい自習用教材を探している」という高校生にうってつけです。
教材概要
Z会が出している、『現代文のトレーニング』シリーズの1つ。
担当していた高3生が「本文内容がわからないし、問題解説の内容もわからない」と言ったときに使った教材です。
第1章は「設問別対策編」で5題があり、評論文の読み方・解き方をじっくりと身につけていきます。
第2章は「テーマ別攻略編」で11題があり、多くの学習者が苦戦する「言語/社会/科学/哲学」といったテーマにそって文章の精読レベルをメキメキと鍛えていきます。
<文章の仕組みを読み解き、問題の構造を理解する>というまさに精読の第一歩がこの教材では学べます。また、第一歩でありながらも使われている文章は実際に大学入試で出題されたものが選ばれており、文章の難易度を下げることなく取り組めるので、とても実践的です。
教材のポイント
ポイント
- 本文の解説が豊富で読みやすい
- 答えの理由が明らかになっている
- テーマへの問題意識を持てる
- POINT 1
本文の解説が豊富で読みやすい - 本文の解説や要約が書かれている教材はいくつもあるが、この教材はレベルがちがいます!
段落ごとに文と図式で本文内容がどのようにつながっているかを説明します。その中でも注目すべき部分は記号や傍線で強調されているので、本文を読むときにどこが大事になるかを確認できます。さらに本文の何行目かも書かれているので、本文と解説を行ったり来たりして場所を探す手間もありません。
そんなわかりやすい本文解説が少なくても4ページ、多いと9ページもあって、「なんとなくの読み方」ではたどりつけない<精読>ならではの内容理解ができます。
- POINT 2
答えの理由が明らかになっている - 問題解説に正答の理由が書かれていることは言うまでもありません。しかし重要なのは、問題になっている内容を整理した後で、問題の形式に合わせて正答を導き出す考え方の手順が書かれていることです。この考え方の手順こそが、現代文に取り組むうえで意識しなくてはいけないものなのです。
また、他の教材と一線を画すポイントとして、<すべての>設問に対して正答や誤答の理由を明らかにしている点が挙げられます。他の教材では一部の設問の解説を省略することがあります。しかし、この教材は語句の補充問題であっても何行もかけて理由や考え方を説明します。「知っていて/わかっていて当然」なんていう扱いはされません。ひとつひとつの単語・文・文章・問題に正面から向き合う考え方の手順を250ページという量を使って全16題を解きほぐしてくれます。
- POINT 3
テーマへの問題意識を持てる - 各問題解説の最後には必ず「コラム」があります。これは各問題でテーマになった事柄について本文内容の掘り下げとして著者の意見が書かれるだけではなく、他の学者はどのようにテーマを扱っているかを取り上げて複数の見解を示しています。そして、テーマについて結論を押しつけることはありません。結論はコラムを読んでいる私たち自身で考えていくのです。
これは小論文で大きく問われることであり、大学での学びにも通じる力です。「コラムを読み、それについて自分で考えていく」、はたまた「気になったテーマについてはコラムに出てきた学者の著作を読んでみる」、などなど自発的な学びを呼び起こしてくれます。
先生よりアドバイス・メッセージ
現代文においてなによりも重要なことは「考え方の手順を意識しながら精読すること」です。
普段は日本語をなにげなく使っていることでしょう。実はその「なにげなく」が現代文を克服できない原因です。
克服するためには
- ひとつひとつのことばに注目しながら、しっかりと本文内容やそのつながりを理解していくこと
- 問題が聞いていることや自分がそれに対してどのように答えればよいかを考えていくこと
の訓練が必要なのです。
だからこそ、君がこの教材に初めて取り組むときには最低でも1時間くらいかけて文章を分析するように読み込んで(メモを取ったりノートにまとめたり)から問題を解きましょう。もし君に苦手意識がある場合には、問題は放置して精読にのみ集中して取り組んでください。そうしたら本文解説と精読した内容とを比べて、深読みしたところや不足したところを洗い出しましょう。
実際に私は「問題を1つも解かずに本文精読のみ」という授業もしています。これは問題を解くためには本文が読めるのが大前提である、という考えがあるからです。
丁寧にしっかりと<文章の読み方、問題の解き方、そして考え方>を身につけていきましょう!
この教材についてのみんなのツイート
文脈・構文の理解は入試で主に聞かれる部分。
鍛え方としては、
1.初学者向けの短文ドリル(適切な教材が少ない)or小説+新書を5冊ずつ読む
2.高校数学の「論理と集合」
3.大学受験用教材(現代文のトレーニングや入試現代文へのアクセスなど)
こんな感じでいけば取りこぼしがないと思う。— タイヘイ (@taiheiex) February 22, 2019
@xktr4850x ぱっと見た感じだと、やさしく語る現代文(入試現代文の実情を知る)⇒現代文解法の新技術(論理的な解法)⇒現代文読解力の開発講座(要約)(読解力)⇒現代文と格闘する(極める)⇒(おまけ)得点ダッシュ現代文(実践演習)⇒現代文のトレーニング(難)が王道っぽいで。
— はるこ (@haruichinko) May 18, 2012