
こんにちは。中学受験の算数・社会の指導をメインに塾講師をしているひよこさんです。今回は、中学入試の算数に対応する本をご紹介いたします。

その前に「なぜ中学受験算数が難しいのか」をお話しします。

「中学受験の算数で何が難しいのか?」と問われたら一番最初に答えるのが、「定理公式を抜きで考えること」です。これは言い換えると「数学の問題を算数として解く」ということになります。

例えば、高校で習う数列の分野は、中学受験の算数では規則性の分野と対応します。Σ(シグマ)を使った等差数列の和の計算は高校数学でお馴染みのものですが、理屈そのものは中学受験の算数でも扱われているのです。

中学受験の勉強を通して、高校数学でも通用する基礎を身につけることができます。今回はそのスタートにぴったりな教材をご紹介します。
教材名/出版社
教材名 | 算数ベストチェック(チェックシリーズ) |
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会社名 | 日能研教務部 |
この教材はどんな人におすすめですか?
国立・私立中学受験(中堅校・中堅校上位)を目指す受験生向けです。小学校の5、6年生が主な対象になります。
教材概要
実は、この教材を知ったときに「この1冊で受験対策ができるものか?」と疑っていました。しかし、今では「この1冊があれば基礎固めは大丈夫!」と確信しています。
章立てごとに解法パターンが書かれており、問題は典型問題を中心としています。
量も各章で2ページ分。この1冊で受験で扱う特殊算まで網羅できてしまうのです。
実際にこの教材を使った子どもたちからも

受験3ヶ月ぐらい前から使って短時間で復習ができた

入試でもスムーズに解答できた
という声があります。
中には

もっと早くこの本を知りたかった

来年受験する子たちに絶対これ解かしてあげて!
という子もいました。
このような子どもたちからの声が出たのは、次に挙げるポイントのおかげだと思います。
教材のポイント
詳しくポイントを押さえていきましょう。ポイントは大きく3つです。
- POINT 1
解法パターンごとに70章に分けられている - たとえば「速さ」の問題の学習をしたいとき、文章問題から探していくのか、それとも割合で探すのか、色々と考えてしまいます。しかし、この教材では解法パターンごとに70と細かく分けられているので、目次からすぐに見つけることができます。
実際の章立ては、
- 数論・・・17章
→公約数、概数、三角数、道順、組み合わせなど - 文章題・・・28章
→旅人算、和差算、植木算などの特殊算 - 図形・・・23章
→直線と角、レンズ形の求積、相似等
から成り立っています。
受験算数では流水算やつるかめ算のように特殊算を用いるものがあります。この教材では、とっつきにくい特殊算も含めて「どのようにして考えていけばよいのか」がわかりやすく書かれており、典型問題に取り組むことを通して解法のパターンを学習します。他の分野に関しても同様です。
- 数論・・・17章
- POINT 2
厳選された良問 - テーマごとの問題量は2〜4ページ程度。短時間でできるのが魅力です。エッセンスを中心に書かれているので、1つのテーマあたり30分程度で取り組めます。定着にも復習にも効率よく使えます。テーマもダイジェスト的に分かれているので、苦手な分野に絞った学習ができるのも強みです。
入試では時間との戦いになります。中堅校で算数の比重が大きい入試では、受験算数に出てくる特珠算を扱う問題が多いです。試験時間が短く設定されている場合もあります。そのため、この教材でパターンをしっかりとおさえておくことで、実際の入試でも典型問題に関しては解法に迷わずスムーズに取り組めるので解答時間の短縮につながります。
- POINT 3
受験算数を1冊で確認できる - 塾のテキストや市販のテキストでは学年ごとや分野ごとでテキストを複数購入しなければならない場合があります。しかし、この教材であれば受験算数の全範囲が分野別に収録され、パターン化した問題を厳選しているので、良問を無理なくこなせます。また、良問ゆえに繰り返し解くこともできるので解法の定着・知識の定着にもつながり、受験算数をダイジェスト的に学習することができます。
弱点克服にも使える!網羅的に学習するときにも使える!まさに、中学受験算数の実戦的な基礎を身に着けるのにもってこいの教材です。
先生よりアドバイス・メッセージ
本書は中学受験に必要な特殊算も分野ごとに分かれているので、塾の教材との併用や復習にも使えます。内容も受験算数に必要なものが中心で、6年生だけでなく、これから受験を目指される4〜5年生でも使うことができます。
中学受験が初めてという保護者の方もいらっしゃると思います。不安もあると思いますが、この教材なら解法の説明が章の最初にあり、その後、典型問題などを解いて定着をはかっていく作りになっているのでご家庭でも親子で取り組みやすいです。
「子どもに教えられるかわからない」という不安もあるかも知れませんが、ぜひお子さんと一緒に考えるようなスタンスで寄り添ってあげてください。中学受験においては「子どもがどんなことを学んでいるのかを知ること」は親の大事な役割の1つです。
本書の内容を遅くとも入試3ヶ月前ごろまでには完璧にするようスケジュールを設定し、その後は各中学校の赤本に取り組みましょう。