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スーパー理科事典 四訂版:知りたいことがすぐわかる!

を教育現場のプロが分析してみた

  • 2019年11月26日
  • 2019年11月26日
りんごくん

こんにちは神奈川は小田原から来たりんごです。慧真館という公立上位校受験専門塾でトップ校を目指す塾生と日々楽しく厳しく格闘しています。

りんごくん

そうそう、今日は理科の話です。毎年春になると、「中学での学習に使える参考書を揃えようと思っているのですが、何かオススメはありますか?」と聞かれることが多いんですけど、今日は私が全力でオススメする理科の参考書についての記事を書いてみたいと思います。

教材名/出版社

教材名 スーパー理科事典 四訂版:知りたいことがすぐわかる!
会社名 増進堂・受験研究社

この教材はどんな人におすすめですか?

理科に興味があって文章を読むのが好きな中学生。ただ、小学3年生以上の漢字にふりがながついているので、小学生でも楽しめます。

教材概要

理科が大好きになる楽しい事典。見て楽しいカラー写真や、図解・表解が3000点。普段使いの勉強だけでなく、図鑑としても使える。ただ用語を無機的に説明しているものではなく、読み物としてかなり面白い。

教材のポイント

ポイント

  • 「プロローグ」が読み物としておもしろすぎる
  • すべて「問い」が起点となっている
POINT 1
「プロローグ」が読み物としておもしろすぎる
スーパー理科事典のイチオシポイントの一つは、各章の最初に必ず書かれている「プロローグ」です。このプロローグがかなり面白い。

例えば、中3化学で勉強する「酸・アルカリ・塩とその化学反応」の章のプロローグは、こんな文章から始まります。

「化学はおもしろい」

化学は、元素記号をはじめ化合物の名称、化学反応式などを暗記しなければならない事項が膨大で、そのため「化学は暗記物」と誤解されがちです。(中略)専門的な分野を勉強する以前に学習することがあまりにも多く、化学を始めて学ぶときは、とっつきにくい科目であるという印象を強く感じます。言いかえると「化学を学習する道は、助走の長い科目」であるといえます。

化学を学習するとき、暗記物ではなく、血湧き、肉踊る科目であるということを、化学の歴史を通してみてみましょう。

力学の法則や微積分学、分光学の基礎を築いたニュートンの足跡をたどると、彼が最も長い年月をかけて研究したのは「錬金術」でした。錬金術こそ当時の「化学」でした。

ここから、なぜ当時は「金を作ることができる」と考えられていたのかというストーリーから、ドイツの詩人ゲーテが魅せられた「親和力説」についてまで話が展開し、ゲーテは親和力を人間の男女関係にあてはめて「親和力」という小説を書いたことなど、プロローグのタイトル通り「化学はおもしろい」ことを教えてくれています。

他の単元もプロローグのタイトルのみ紹介してみましょう。

  • 天気の変化(中2)…「空から魚やお金が降ってきた」
  • 大地の変化(中1)…「恐竜はどうして滅びたのか」
  • 力のはたらき(中1)…「ピラミッドの謎」
  • 光・音・熱(中1)…「線香花火の科学」

どうですか?興味をそそられるものばかりでしょう?

ごく一般的な参考書なら、中3の「酸・アルカリ・塩」の単元であれば、だいたいは「酸・アルカリとは」というようにいきなり本題に入ります。しかしこのスーパー理科事典は、いきなり堅苦しい本題から入らずに、これから学ぶ単元に関係するおもしろい話を読ませることで、その単元への興味を引き出すことを重視しています。

POINT 2
すべて「問い」が起点となっている
スーパー理科事典の特徴は、目次にも表れています。

例えば光の目次を見てみると、

  1. 光はどのように反射・屈折するのだろうか
  2. 凸レンズはどのような像をつくるのだろうか
  3. 音はどのように伝わるのだろうか
  4. 振動の違いにより音はどう変わるのだろうか

と、各章の項目が全て「問題提起」から入っているのです。

この本は理科の本質である「なぜ」「どうして」という問いをとにかく大切にしています。まず「問い」があり、そこを出発点としていろいろな知識や原理・法則、科学の歴史、用語の由来などをわかりやすく、しかもかなり深くまで突っ込んで解説してあって、全て読み終わった後は出発点の「問い」が解決されているという内容になっています。

ただ単に知識を羅列するのではなく、まずは日常にありふれている「問い」を大切にし、そしてそこを起点として色々な知識を得るという理科の本質を、このスーパー理科事典は大切にしているのでしょう。

先生よりアドバイス・メッセージ

フルカラーで図や写真は多く、ビジュアル的には何の問題もないのですが、スーパー理科辞典が普通の辞典と違うのは、文字の多さです。もしも読書が得意ではない子がこれを開いたら、一瞬で面食らってしまうかもしれません。ただ、文章そのものは非常に読みやすく、小学生でも読めるようにほとんどの漢字にふりがなもあり、興味さえ持つことができたなら、意外にもどんどん読み進めることができるでしょう。

そう、これはよくあるビジュアル図解の参考書のような「見せる事典」ではなく、「読ませる事典」なのです。

オススメの使い方としては、学校や塾で新しい単元や内容を習った後に、スーパー理科事典のその単元のページを読みます。勉強というよりも読書をしているような感覚で肩の力を抜いて読むくらいで良いでしょう。教科書の内容よりもかなり詳しく書かれていて、学校や塾では触れられない深い知識まで得られますよ。

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